2017/01/23
ランドセル130年史
“Bagazine”という業界紙にランドセル130年史発刊という記事が目に留まり、
インターネットで「ランドセル」と検索してみると数十種類のカラーバリエーションから選ぶ他、
型押しや刺繍、職人の手作りランドセル、そして6年間使用したランドセルのリメイク加工まで、
本当に様々な広告宣伝情報が出てきます。
その中に『ランドセル工業会』というホームページがあります。
このランドセル工業会が「ランドセル130年史」が発刊元です。
日本独自の文化は数多くありますが、ランドセルも日本独自の文化の一つです。
そもそもランドセルは江戸末期に洋式軍隊で採用したオランダの背囊(はいのう)が発祥とされ、
その呼称はオランダの「ranselランセル」がなまってランドセルになったと。
現在のように通学鞄として使用されたのは学習院初等科が起源だと言われています。
1887年(明治20年)、当時皇太子だった嘉仁親王(後の 大正天皇)が学習院初等科に入学する際、
時の総理大臣だった伊藤博文が献上した黒い革の箱型の背負い鞄が今の学習院型ランドセルの原型になっています。
革製のランドセルは高級品のため、全国に普及し始めたのは昭和30年代の高度成長期以降です。
下記はランドセルの価格とその時代の物価水準です。当初は高価なものだったとわかります。
大正3年 ランドセル 1円50銭ーあんぱん1銭
昭和12年 ランドセル 5円ーあんぱん5銭
昭和30年 ランドセル 2,500円ーあんぱん12円
昭和50年 ランドセル 10,000円ーあんぱん70円
平成8年 ランドセル 35,000円ーあんぱん120円
平成27年 ランドセル 42,600円
(ランドセル工業会HPの資料による)
現在は軽さや丈夫さ、手入れの簡単さで人工皮革のクラリーノ性が主流になっています。
少子化にも関わらず年々高額化が進んでおり、高級品は10万円〜15万円するランドセルも売れています。
ランドセルは、昭和40年代に教育基本方針により一部地域でランドセル通学の廃止という危機や、 教科書のサイズの変更、学校指定ランドセルなど多様化してきています。また今は海外セレブや日本のアニメの影響などからファッションとしても海外からの注目をされています。
大量生産安売り競争からオーダー性などバラエティに個性的な傾向へと変わってきています。
高額化による贅沢品になっているのではという懸念も取り上げられています。
賛否両論あるとは思いますが、小学校入学児童の夢や希望、ワクワクを、
子供達の幸せを見守ってくれるランドセルを日本独自の文化として大切にしていければと感じました。